5/11/2016

シェアの世界



ヴィンテージバイクのレンタルをはじめます。
わかりやすい言葉としてはレンタルなのですが、本意としてはシェアですので、
シェアリングと表現していきます。


僕は青春時代にヴィンテージバイクに出会って以来、ひたすらヴィンテージバイクを楽しんできました。
それを扱うことを仕事にして、毎日ヴィンテージバイクと向き合っても、やっぱり楽しいです。
きちんと整備すればきちんと走るし、いろいろなバイクの乗り味に飽きません。
しかしながら、さまざまなお客様と接していくなかで、自分とは同じように楽しめない様々な問題が見えてきました。

ヴィンテージバイクは楽しむまでに、まず最初に買うというハードルがあります。
まず車両を探すことからはじまり、高価になっていく価格、状態の見極め、故障への不安など。
そして、そのハードルを越えて、今ヴィンテージバイクを持っている方でも、こんなことないでしょうか?

とりあえず、走る。これが本来の走りか分からないまま乗って、壊れる。
修理費を気にして、ビクビクしながら乗っている。

一台乗ったら、違うバイクも乗ってみたくなり、バイクも増え、趣味も増え、
それぞれ乗る回数は、週一回、いや月一回!?、はたまた年に何回!?
そしていざ乗ろうという時には、調子が悪くなっている。

今年一気に上がった税金、一台ならまだしも、複数台となると、
少しずつ家族に言い訳しにくくなっていませんか?

純粋に楽しむことが難しくなっていくこれらの要因を、シェアリングが解決していきます。
ヴィンテージバイクを店で常に走れる状態で管理し貸し出すことにより、
いつでもいい状態で乗ることができ、いろいろなバイクに乗ることができます。
バイクを買わずとも、維持費を掛けずとも。
セカンドバイクはシェアリングでいろいろなバイクに乗るという選択肢も広がります。

またヴィンテージバイクを楽しむ上で大切なのは仲間です。
バイクに乗って楽しいという、同じ経験をする友達を増やしたり、
好きなバイクについて会話をする仲間をつくったり、
シェアリングはきっとその手助けになるはずです。
そうすれば、バイクの楽しさがずーと続きます。


シェアリングを実行しようと思ったきっかけのもうひとつに、
ヴィンテージバイクはいつまで楽しめるだろうか、不安に駆られたことがあります。
決して増えることのない、むしろ減る一方の素材です。
趣味の多様化からか、若い世代はバイクに乗るどころか車の免許すら持たない人も多くなりました。
モノもヒトも絶対数が減っていく一方なのです。

そんななかヴィンテージバイクをずっと楽しんでいけるためにどうするか。

そこで、
歴史的遺産であるヴィンテージバイクをみんなで共有するという考え方で、
お店である我々が常に整備、管理をしていけば、
たくさんのいろんなヴィンテージバイクを、いつでも、いつまでも、
みんなで乗って楽しみ続けることが出来るはずだと考えました。
朽ちていくバイク、壊れてゴミとなっていくバイクをなくし、
現在ある歴史的遺産の数を維持しつつ、動態保存を続ける。
動いているバイクが増えれば、リプロ部品が増える。
何世代にも渡ってこのバイクの楽しさを伝えられることで、
自分たちもずっと楽しんでいける環境が守られる。
そういう世界が見えてきました。


共有することは、共感を増やすことであり、
人々の本当の幸せは、共感にあるような気がします。

どんなにいいモノ持ってても、どんなにすごいことが出来るとしても、
その良さを共感されない自己満足を維持していくのはなかなか大変なものです。
僕が、豊かな人だなあと感じる方はきまって、
自分のモノや知識や技術は自分だけのものにしないで、
みんなと共有していくことで、共感を広げ、思いを共有できる人を増やしています。
共有することで、新しい何かが入ってくることも確か。
共感を得ることが自分の楽しみを広げ、ココロを豊かにしているのでしょう。

では、僕はバイクをシェアしてココロも豊かに。



ヴィンテージバイク シェアリング、もうすぐはじまります。
まずは、3台を用意しました。
仕上げ整備を進めています。
ご期待ください。










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