この1ヶ月は、ほぼ毎日職人さんが出入りして、改装の打ち合わせ、
仕事場を移したり、生活も変わり、怒涛の日々だった。
朝から晩まで、全く落ち着かない。
そんななか、だからこそなのか、いろいろと気付くこともある。
僕は今回の改装工事で依頼主になり、お客様の立場がよく理解できた。
いつもはお店の人間ですが、お客様がどんなことを思いながら依頼されるのか、
期待や不安、コミニケーションの大切さなど。
依頼主は求めることに応えてほしいし、
受注者は気持ちよく仕事したいし、
また実際に工事に入った現場を見れば、
職人さんの気持ちよさも分かるし、営業の必要性がよく分かる。
仕事の役割での立場。
職人は、自分が思う「いい仕事」をこなしたいし、
営業は、お客様の望みを汲む「いい仕事」をしたいし、
よく、よくわかるので、できるだけ気持ちよく仕事していただきたいし、
できるだけ気持ちよくお支払いしたい。
今回施工をお願いしたのは、「なんでも出来る出来る」と前向きでポジティブな方。
予算は少なく、問題は多い案件だったかもしれませんが、様々なアイデアで応えていただきました。
予算は少ないですが、私にとっては大きな金額の投資。
今回はいろいろな立場のいろいろな思いがよく理解できました。
さて、今回の大改装は、この建物が好きになってしまったからに他ならない。
9年前、廃墟になっていたこの建物だけど、他にない、
良い部分しか目に入らなくて、最高にワクワクした。
それを活かす最低限のインフラ(水道、電気、ゴミ、雨漏り、窓、、、)に
お金が掛かることを目の当たりにして尻込みしてしまったけれど、
ここで過ごしてみて、やっぱり他にない、良い部分を活かしたくて、
今回それを思い切ってやってみたかった。
工事が進むにつれ、9年前のワクワクがようやく目の前に開けた。
傍から見たら、廃墟を前にワクワクしている僕が不思議だったみたいだが、
その時、廃墟の中に僕が見ていた、この建物の気持ちいいところ、
これが現実に見えてきた。
店も作業場も3Fのスペースもまだ、ごちゃごちゃの未完成だけど、
少しずつ整ってきて初めて見えた風景を、友人が「いいなあ!」と言ってくれる。
でしょ、でしょ!自分がいいなあと思っていたところを言ってくれると、とてもうれしい。
そして、これからのこと。
この数年、「伝えること」を意識してきた。
僕の経験から得たこと、いいなあと思ったことをどんどん共有して、共感を広げる。
そして、次の世代につなげる。
そのために、このお店。
今週をもって、改装工事はほぼ終わりますが、これから1Fのコーヒショップの
メニュー、時間や人員など実務の煮詰め、配置や引っ越しや、床のペンキ剥がし(笑)
まだまだやるべきことが多く、1Fのオープンやバイク業務の通常化までお時間いただきますが、
どんどん良いお店になっていきますので、どうぞご了承願います。