「息子の受験が終わったら免許も取れるんで、引き継ごうと思って。」
車検整備の完了した車両の引き取りには息子さんと来られて、
その序章としてタンデムでツーリングをしながら帰られたお客様。
親子でヴィンテージバイクを引き継ぐなんてステキ!
そんな話を別のお客様と話していると、
「ウチなんかはぜんぜんバイクに興味を持ちませんよ」
そう言われて自分を振り返ってみると、
うーん、そうですよね、そういうものかもしれないなと。
僕も親父の趣味にはまるで興味がなかった。
でも、一度親元を離れて、歳を重ねて、戻ったときの何かの機会ではじめて、
親父がこんな趣味を持っててくれたのはうれしいと思えたことがありました。
ウチで言えば、それが船(ヨット)だったんですけど、
このところは特に、だんだん小さくなっていく親父を見ながら、
それを引き継いでいかないともったいないなあと思うようになりました。
親子で趣味のものを引き継げるのは、とても理想的です。
世代に渡って、とても自然な形。
でも、大体は難しいことだと思っています。
どんな人も、家族は特にそう、思うようにはならないと。
だからこそか、いま自分が「引き継ぐ」の仕事を意識しているのかもしれません。
「引き継ぐ」「伝える」は、何か1つのアクションだけですぐ反応が返ってくるほど簡単なものではないでしょう。
ただ、いいなあと思ったこと、伝えたいことを少しずつでもアウトプットしておくことが、とても意味のあることで、
伝えたい人には、じわじわ、じわじわとでも、いつかは(ちょっとだけでも)うまく伝わるだったり、
逆に思ってもないところでうまく伝わっていて、人を引きつけることにつながったりと、
最近少しずつそういうのを感じています。じわじわ。じわじわと。